2009年 06月 22日
オルソケラトロジー
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Orthokeratology。Ortho(オルソ)は矯正、ketato(ケラト)は角膜、logy(ロジー)は学問・治療法。つまり、日本語でいうと「角膜矯正法」となろうか。そうすると、レーシックもオルソケラトロジーの一種になってしまうが。よい日本語訳がないため、一般にそのまま「オルソケラトロジー(オルソK)」とか、頭文字をとって「OK」とかいわれている。
これは、後面(裏面)に特殊なカーブデザインが施されたハードコンタクトレンズを毎晩寝る前に装用し、寝ている間に角膜形状を変形・矯正し、軽い近視を治療する方法である。朝起きてレンズをはずした後も、近視を矯正した形に角膜が「くせづけ」された状態になるので、角膜の形が元の状態に戻るまでのある一定時間、視力が回復する。
毎日続けることで、少しずつ効果の続く時間が延長し、だいたい装用開始から2週間くらいで、起きている間はよい視力が保てるようになる。手術ではないので、レンズ装用を中止すれば、角膜の形は元に戻り、装用前の近視の状態になる。したがって、よい視力を維持するには、毎日装用する必要がある。
通常のハードコンタクトレンズは夜はずすが、このオルソKレンズはその反対なので、“眼によくないこと”をしているように思われる。しかし、オルソKレンズは酸素透過性の高い素材を使用しており、寝ている時間を8時間とすると、起きている16時間はコンタクトレンズを外していられるので酸素不足にはならないといわれている。オルソKレンズはアメリカのFDA(食品医薬品局)の認可を受けており、まもなく本邦でも数種類のレンズが承認される見込みだ。
オルソケラトロジーは、欧米では30年以上前から行われている療法であり、既に100万人以上の方が治療をうけた実績のある視力回復方法だが、実はその概念は歴史を紐解くと、中国で隋(587年ごろ)から清朝末期(1904年)まで行われた高級国家公務員資格の認定試験である「科挙」の項目であった視力検査をパスするために、前夜に砂袋を目の上に乗せて寝た、という古い時代の言い伝えに起源があるようである。
ところで、私の娘も数年前からこのレンズを愛用している。両親とも目はいいのだが、小学校の高学年頃より軽い近視になったので、オルソケラトロジーを始めた。現在、中学3年生。いまだに近視が進んでいないのは、この効用なのかもしれない。(近視の進行を抑える効果が報告されている)
特殊レンズなので、慎重にフォローする必要があるが、当院ではいまだ大きなトラブルが起こった症例はない。スポーツなどで裸眼での生活を必要とされる方で、手術の適応年齢になっていなかったり、手術抵抗がある軽い近視の方にはお勧めの方法である。
これは、後面(裏面)に特殊なカーブデザインが施されたハードコンタクトレンズを毎晩寝る前に装用し、寝ている間に角膜形状を変形・矯正し、軽い近視を治療する方法である。朝起きてレンズをはずした後も、近視を矯正した形に角膜が「くせづけ」された状態になるので、角膜の形が元の状態に戻るまでのある一定時間、視力が回復する。
毎日続けることで、少しずつ効果の続く時間が延長し、だいたい装用開始から2週間くらいで、起きている間はよい視力が保てるようになる。手術ではないので、レンズ装用を中止すれば、角膜の形は元に戻り、装用前の近視の状態になる。したがって、よい視力を維持するには、毎日装用する必要がある。
通常のハードコンタクトレンズは夜はずすが、このオルソKレンズはその反対なので、“眼によくないこと”をしているように思われる。しかし、オルソKレンズは酸素透過性の高い素材を使用しており、寝ている時間を8時間とすると、起きている16時間はコンタクトレンズを外していられるので酸素不足にはならないといわれている。オルソKレンズはアメリカのFDA(食品医薬品局)の認可を受けており、まもなく本邦でも数種類のレンズが承認される見込みだ。
オルソケラトロジーは、欧米では30年以上前から行われている療法であり、既に100万人以上の方が治療をうけた実績のある視力回復方法だが、実はその概念は歴史を紐解くと、中国で隋(587年ごろ)から清朝末期(1904年)まで行われた高級国家公務員資格の認定試験である「科挙」の項目であった視力検査をパスするために、前夜に砂袋を目の上に乗せて寝た、という古い時代の言い伝えに起源があるようである。
ところで、私の娘も数年前からこのレンズを愛用している。両親とも目はいいのだが、小学校の高学年頃より軽い近視になったので、オルソケラトロジーを始めた。現在、中学3年生。いまだに近視が進んでいないのは、この効用なのかもしれない。(近視の進行を抑える効果が報告されている)
特殊レンズなので、慎重にフォローする必要があるが、当院ではいまだ大きなトラブルが起こった症例はない。スポーツなどで裸眼での生活を必要とされる方で、手術の適応年齢になっていなかったり、手術抵抗がある軽い近視の方にはお勧めの方法である。
by nakamura_eye
| 2009-06-22 09:11