2009年 06月 14日
ICL
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アイ・シー・エル。後房型(虹彩の後ろ、水晶体の前の僅かな隙間に置く)のフェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)。NICではレーシックの適応外となる、強度な近視の方に行っている手術である。
ふつう「眼内レンズ」の手術といえば、お年寄りの白内障手術。濁った水晶体を取り出し、その代わりに人工レンズを入れて、分厚いメガネ無しでもピントが合うようにする。
この「眼内レンズ」には30年以上の歴史があり、眼科ではごく一般的な治療法で、年間100万件ほどの手術が行われている。
以前はガラスのような素材が使われていたが、今はシリコンやアクリルで出来たものが主に用いられている。一度入れたレンズは劣化することはなく、一生取り替える必要もなく使用することができる。
フェイキックIOLは白内障のための手術ではなく、近視が強い方に、“水晶体は取らず”に眼内レンズを入れて、近視や乱視、時には遠視も矯正する方法。水晶体を温存することから、「有水晶体」眼内レンズと呼ばれるのである。
世界中で一般に用いられているのは、前房型(虹彩に引っ掛けて固定するタイプ)のフェイキックIOLであるアルチザンレンズというものと、後房型のICLの2つのタイプであるが、最近では安全性や精度の高さからICLが主流になっているようだ。当院でも以前は両者を使用していたが、最近はもっぱらICLを用いている。
厚生労働省の臨床治験はすでに7年も前に行われ、良好な結果を得ているにもかかわらず、事務手続き上の問題かまだ承認に至っていない。10年以上も前に欧州ではCEマークを、4年前には米国FDAの承認を得ているのに残念なことである。今年中には日本でも承認されると聞いている。
さて、当院では5年前からICLの手術を行っており、現在では600眼以上の実績がある。
数からすれば少なく感じるかもしれないが、対象となる高度近視が決して多いわけでなく、この数字は本邦では最多、世界的に見ても多い施設として挙げられている。
治療結果はすこぶる良好で、0.01~0.02といった強度な近視の方の多くは、1.5~2.0の抜群によい視力を回復されている。また、角膜を削って新たなレンズを作るレーシックに比べ、高精度のレンズを付加するこの手術は、視機能(見え方の質)の点でも優れているようである。
それゆえ、今後は近視が強くてレーシックの適応外になった方だけでなく、よりよい視機能を求めて軽度~中等度の近視の方も選択するようになるのではないかと思っている。
実際、私の元同僚の内科医師も中等度の近視でレーシックの適応であったが、ICLを選択され、大変快適な“視生活”を送っておられる。
ふつう「眼内レンズ」の手術といえば、お年寄りの白内障手術。濁った水晶体を取り出し、その代わりに人工レンズを入れて、分厚いメガネ無しでもピントが合うようにする。
この「眼内レンズ」には30年以上の歴史があり、眼科ではごく一般的な治療法で、年間100万件ほどの手術が行われている。
以前はガラスのような素材が使われていたが、今はシリコンやアクリルで出来たものが主に用いられている。一度入れたレンズは劣化することはなく、一生取り替える必要もなく使用することができる。
フェイキックIOLは白内障のための手術ではなく、近視が強い方に、“水晶体は取らず”に眼内レンズを入れて、近視や乱視、時には遠視も矯正する方法。水晶体を温存することから、「有水晶体」眼内レンズと呼ばれるのである。
世界中で一般に用いられているのは、前房型(虹彩に引っ掛けて固定するタイプ)のフェイキックIOLであるアルチザンレンズというものと、後房型のICLの2つのタイプであるが、最近では安全性や精度の高さからICLが主流になっているようだ。当院でも以前は両者を使用していたが、最近はもっぱらICLを用いている。
厚生労働省の臨床治験はすでに7年も前に行われ、良好な結果を得ているにもかかわらず、事務手続き上の問題かまだ承認に至っていない。10年以上も前に欧州ではCEマークを、4年前には米国FDAの承認を得ているのに残念なことである。今年中には日本でも承認されると聞いている。
さて、当院では5年前からICLの手術を行っており、現在では600眼以上の実績がある。
数からすれば少なく感じるかもしれないが、対象となる高度近視が決して多いわけでなく、この数字は本邦では最多、世界的に見ても多い施設として挙げられている。
治療結果はすこぶる良好で、0.01~0.02といった強度な近視の方の多くは、1.5~2.0の抜群によい視力を回復されている。また、角膜を削って新たなレンズを作るレーシックに比べ、高精度のレンズを付加するこの手術は、視機能(見え方の質)の点でも優れているようである。
それゆえ、今後は近視が強くてレーシックの適応外になった方だけでなく、よりよい視機能を求めて軽度~中等度の近視の方も選択するようになるのではないかと思っている。
実際、私の元同僚の内科医師も中等度の近視でレーシックの適応であったが、ICLを選択され、大変快適な“視生活”を送っておられる。
by nakamura_eye
| 2009-06-14 09:11